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子宮動脈塞栓術の注意点

子宮動脈塞栓術は、まさにローリスク・ハイリターンと言える手術法ですが、
最新の治療法だけに不明確・不完全な側面もあります。
また、場合によっては適用できないこともありますので、
以下のような注意点を事前に確認し、よく納得したうえで治療に臨みましょう。

実施できる医療機関が少ない

治療実績はまだ少なく、実施している医療機関も多くはありません。

高額な治療費

今のところ、子宮動脈塞栓術は健康保険適用外の治療法であるため、
費用はすべて自己負担となります。
治療費は、一般的に50万円前後です。

適用できないケースもある

子宮動脈塞栓術は、子宮筋腫の位置や大きさにかかわらず適用できる手術ですが、その他の条件によっては適用できない場合もあります。

治療できるのは子宮筋腫・子宮腺筋症

治療の原理から分かるように、
子宮動脈塞栓術の治療対象は子宮筋腫および子宮腺筋症です。

子宮内膜症は子宮動脈を塞いでも治せません。
また、子宮腺筋症への効果は、
子宮筋腫の場合ほど期待できないこともあります。

あくまでも対象を絞った手術であり、
他の病気の可能性がないことが明確になっていないと適用できません

妊婦には適用できない

子宮動脈塞栓術では、カテーテルを差し込む作業があるため、
X線を浴びせて体の中を確認しながらの手術になります。
そのため、妊娠中は胎児がX線を全身に浴びることになり、
この手術を適用することはできません。

悪性腫瘍・感染がある場合は適用できない

子宮ガン・卵巣ガン・子宮肉腫などの悪性腫瘍が疑われる場合も、
子宮動脈塞栓術は適用できません。

また、骨盤内に感染症が発生している場合、
この手術によって感染を悪化させてしまう危険があるため、
やはり適用できません。

他の治療法で十分な場合もある

適用できないというよりも、「必要がない」と判断されるケースです。

まず、閉経後または閉経が近い女性は対象になりません。
閉経後、子宮筋腫はエストロゲンが絶たれて小さくなっていくため、
この手術を行うまでもないからです。

また、子宮筋腫があっても、過多月経や月経痛などの症状がなく、
治療の必要がない場合は対象になりません。

症状がある場合でも、
開腹せずにできる手術で治療できる場合も対象になりません。

子宮動脈塞栓術は、子宮筋腫によって耐え難い症状があり、開腹手術以外に治療方法がないと判断された人のみが対象になる手術です。

妊娠への影響が不鮮明

子宮動脈塞栓術における妊娠への影響については、
さまざまな意見があり、悪影響か好影響かは判断が難しいところのようです。
懸念されている悪影響は、子宮動脈を塞ぐことによって、
卵巣の機能が低下したり、子宮内膜・子宮筋層が弱ることです。

このような危険性から、妊娠を希望する患者に対しては、
子宮動脈塞栓術を適用しない施設も多いようです。

一方で、子宮筋腫に栄養を送らなくすることで、
子宮や卵巣への血流が良くなるという見方もあります。

実際に子宮動脈塞栓術を受けた後に妊娠した例はありますので、
今後の治療実績により、
妊娠を希望する患者にも適用できる施設が増えてくることが期待されます。

手術が失敗することもある

万能のように思える子宮動脈塞栓術も、
状況によっては失敗することもあり、重大な後遺症となる場合もあります。

途中で手術を断念するケース

子宮動脈塞栓術では、子宮動脈にカテーテルを差し込んで行いますが、
この子宮動脈が通常よりも極端に細い場合、
カテーテルが入らないことがあります。

また、これは非常に稀ですが、
子宮筋腫が子宮動脈以外から栄養分を取り込んでいるケースもあり、
この場合は子宮動脈を塞いでも効果がありません。

以上のようなことが手術中に判明した場合、
残念ながら手術を中断することになります。

手術後に感染症を起こす場合もある

子宮動脈塞栓術も手術であることに変わりはありませんから、
治療後に子宮が感染症を起こす可能性はあります。

感染は滅多に起こることはなく、仮に感染が起こった場合でも、
抗生物質で適切に対処すれば大事には至らないことがほとんどですが、
ごくまれに重度の感染症を起こすこともあるようです。

最悪の場合、子宮を摘出しないと治らないこともあります

もちろん、これは従来の子宮筋腫核手術でも起こり得ることですが、
安全とされる子宮動脈塞栓術で治療したにもかかわらず、
子宮をすべて摘出する結果になる可能性もあることを、
頭の片隅に置いておきましょう。